自分自身の「育て直し」<4>  自己の確立、自己イメージの再構築

自分自身の「育て直し」について、連載で綴っております。

 

育て直し<1>変容のプロセス → こちら

育て直し<2>安全な場所ってどういうこと? → こちら

育て直し<3>感情と思考の違い → こちら

育て直し<番外編>Iメッセージ → こちら

今日は、自己イメージの再構築、自己の確立について書きます。

「自己イメージ」という言葉をご存知でしょうか?

自分をどんな存在と捉えるか?どのようでありたいか?人にどんな人と思われたいか?など、

自分が自分をどのように捉えているか、を表す言葉です。

 

これまでお話してきたような<育て直し>のプロセスを踏んで

「自分が今、何を感じているか?」という自分の感情に適切にフォーカスできるようになってくると、

実は、ちょっとツラく感じることも増えてくるかもしれません。

 ○感情の起伏が激しくなる…
 ○すごく嬉しい事、喜ぶこともあるけど、激しく落ち込むことも多い…
 ○前よりも怒りっぽくなっている…

などです。

 

たとえば、怒りっぽい人は嫌いだ。自分は、そんな人でありたくないと思っていたのに、

自分がものすごく感情の起伏が激しくなっている…。

 

そのようなことが起きていたら、これまでの「自己イメージ」ががらがらと崩れ落ちてきます。

そうなったら、不安で心配になります。

自分は悪くなってしまったんじゃないか?と思ってしまうのですね。

 

また、これまでに誰にも話したことのない感情、気持ちを言葉にしたのであれば、
罪悪感、恐怖感が生まれていることもあるでしょう。

 

…あんなことを言ってわがままな人、自分勝手な人と思われたのではないか?
 …これで嫌われて、あの人が去っていってしまうのではないか?
 …あれは差別発言だったのではないか?

などと考えて、出口の見えない怖さに足がすくんでしまうかもしれません。

 

でも、どうか安心してください。

 

今まで、感じないように抑圧していた「感情を感じること」を始め、
語ってこなかった「気持ち」「想い」を言葉にし始めたわけですから、

「自己イメージ」が変容しはじめているのです。

 

動揺するのも当然です。

初めてのことは、誰だって不安になる。怖い。

 

実際のところ、感情をコントロールできていた、と思っていた「以前」が実は不自然だったのです。

 

今、怒りっぽくなっているのも、許せない想いが噴出してきているのも、
嬉しいことが増えたのも、その反動で激しく落ち込むことも、
感情の起伏が激しくなっていることも、それらを振り返って不安になっているのも
すべて「本当の自分で生きていく」ために、大いなる前進であり、成長です。

 

エゴをしっかり見つめている時間です。

 

この段階は、ものすごく感情、思考を含め、自分が揺れ動くとき。

 

想定しないことが訪れて、心配になったり、不安になったりする道のりだからこそ、
経験のあるガイド(セラピスト、カウンセラー)をつけることがお薦めです。

 

そうしないと、迷子になったり、スリップ(道を外れて)したり、怖くて後戻りしてしまうから。
スリップすると、ただでさえ傷ついているうえに、二重、三重に傷つくことになる。
それはあまりにも痛いから、このときは、自分をとりわけ丁寧に扱ってあげることが大切です。

今まで、こころの中のことは、すべて自分自身で解決してきたかもしれませんが、
自分で解決できていないハードルを今、超えたいと思っているわけですから、
自分が信頼している「自分のメガネ」を一旦、脇に置いてみるのです。

 

「信頼できる人に頼ってみる」です。

 

起きていることやそれに対する不安や心配を伝えて、

適切な解説、フォローが得られると安心することができるでしょう。

 

たとえば、激しい怒りや嘆きが噴出したあとには、ちょっと鬱っぽくなることがあります。

でも、ゆっくり自然に回復していくから大丈夫ですよ、という言葉をもらえれば、

いくらか安心して「今」を過ごすことができるでしょう。

 

また、嬉しかったこと、頑張ったことを伝えて、応援してもらったり、褒めてもらったり、

共に喜んでもらう「共感」があることで、

 

そのようなプロセスの中で、
自分の本当の気持ち、自分の本当の声、自分の本当の姿、自分が本当に言いたかったことに気づいていく。

「あぁ、これが私だったんだ…」というように新たな「私」、新たな「自己イメージ」を確立していく。

 ※私たち女性にとっては、こういうときに、洋服や髪型、メイクなどを変えてみることも

  新しい自分発見、自分を好きになるためにとても役立ちます。

「こうあるべき」「こうでなければ」と外側の情報を元に自分で作りあげていた自己イメージから、

「私は、こう感じるから、こう考える」という、自分の内側から湧いてくる想いを元に構築する新しい自己イメージへ。

★    ☆    ★

繰り返すようですが、この時期は、自分の中はとても繊細になっています。

ですから、とりわけ自分を丁寧に扱うのが望ましいです。

 

 

「自分に丁寧に、自分に優しく、自分を大切に」とは、よく聞く言葉とは思いますが、

その一方で、「自分に優しくすることがどういうことなのかわからない」というお声も聴きます。

そんなときは、ぜひからだのケアをしてみてください。

きっと何かに気がつくことでしょう。

 

これまでのプロセスは、自分の主語を取り戻し、主観を取り戻すという作業でしたが、

それについて「自分に今、何が起きているのか?」を理解することも、

育て直しのプロセスを後押ししてくれます。知性の出番です。

次回は、その「適切に自分を客観視する」をお届けします。

自分自身の「育て直し」<5>  適切に自分を客観視する

 

 

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