自分自身の「育て直し」について、連載で綴っております。
育て直し<1>変容のプロセス → こちら
育て直し<2>安全な場所ってどういうこと? → こちら
育て直し<3>感情と思考の違い → こちら
育て直し<番外編>Iメッセージ → こちら
今日は、自己イメージの再構築、自己の確立について書きます。
「自己イメージ」という言葉をご存知でしょうか?
自分をどんな存在と捉えるか?どのようでありたいか?人にどんな人と思われたいか?など、
自分が自分をどのように捉えているか、を表す言葉です。
これまでお話してきたような<育て直し>のプロセスを踏んで
「自分が今、何を感じているか?」という自分の感情に適切にフォーカスできるようになってくると、
実は、ちょっとツラく感じることも増えてくるかもしれません。
○感情の起伏が激しくなる…
○すごく嬉しい事、喜ぶこともあるけど、激しく落ち込むことも多い…
○前よりも怒りっぽくなっている…
などです。
たとえば、怒りっぽい人は嫌いだ。自分は、そんな人でありたくないと思っていたのに、
自分がものすごく感情の起伏が激しくなっている…。
そのようなことが起きていたら、これまでの「自己イメージ」ががらがらと崩れ落ちてきます。
そうなったら、不安で心配になります。
自分は悪くなってしまったんじゃないか?と思ってしまうのですね。
また、これまでに誰にも話したことのない感情、気持ちを言葉にしたのであれば、
罪悪感、恐怖感が生まれていることもあるでしょう。
…あんなことを言ってわがままな人、自分勝手な人と思われたのではないか?
…これで嫌われて、あの人が去っていってしまうのではないか?
…あれは差別発言だったのではないか?
などと考えて、出口の見えない怖さに足がすくんでしまうかもしれません。
でも、どうか安心してください。
今まで、感じないように抑圧していた「感情を感じること」を始め、
語ってこなかった「気持ち」「想い」を言葉にし始めたわけですから、
「自己イメージ」が変容しはじめているのです。
動揺するのも当然です。
初めてのことは、誰だって不安になる。怖い。
実際のところ、感情をコントロールできていた、と思っていた「以前」が実は不自然だったのです。
今、怒りっぽくなっているのも、許せない想いが噴出してきているのも、
嬉しいことが増えたのも、その反動で激しく落ち込むことも、
感情の起伏が激しくなっていることも、それらを振り返って不安になっているのも
すべて「本当の自分で生きていく」ために、大いなる前進であり、成長です。
エゴをしっかり見つめている時間です。
この段階は、ものすごく感情、思考を含め、自分が揺れ動くとき。
想定しないことが訪れて、心配になったり、不安になったりする道のりだからこそ、
経験のあるガイド(セラピスト、カウンセラー)をつけることがお薦めです。
そうしないと、迷子になったり、スリップ(道を外れて)したり、怖くて後戻りしてしまうから。
スリップすると、ただでさえ傷ついているうえに、二重、三重に傷つくことになる。
それはあまりにも痛いから、このときは、自分をとりわけ丁寧に扱ってあげることが大切です。
今まで、こころの中のことは、すべて自分自身で解決してきたかもしれませんが、
自分で解決できていないハードルを今、超えたいと思っているわけですから、
自分が信頼している「自分のメガネ」を一旦、脇に置いてみるのです。
「信頼できる人に頼ってみる」です。
起きていることやそれに対する不安や心配を伝えて、
適切な解説、フォローが得られると安心することができるでしょう。
たとえば、激しい怒りや嘆きが噴出したあとには、ちょっと鬱っぽくなることがあります。
でも、ゆっくり自然に回復していくから大丈夫ですよ、という言葉をもらえれば、
いくらか安心して「今」を過ごすことができるでしょう。
また、嬉しかったこと、頑張ったことを伝えて、応援してもらったり、褒めてもらったり、
共に喜んでもらう「共感」があることで、
そのようなプロセスの中で、
自分の本当の気持ち、自分の本当の声、自分の本当の姿、自分が本当に言いたかったことに気づいていく。
「あぁ、これが私だったんだ…」というように新たな「私」、新たな「自己イメージ」を確立していく。
※私たち女性にとっては、こういうときに、洋服や髪型、メイクなどを変えてみることも
新しい自分発見、自分を好きになるためにとても役立ちます。
「こうあるべき」「こうでなければ」と外側の情報を元に自分で作りあげていた自己イメージから、
「私は、こう感じるから、こう考える」という、自分の内側から湧いてくる想いを元に構築する新しい自己イメージへ。
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繰り返すようですが、この時期は、自分の中はとても繊細になっています。
ですから、とりわけ自分を丁寧に扱うのが望ましいです。
「自分に丁寧に、自分に優しく、自分を大切に」とは、よく聞く言葉とは思いますが、
その一方で、「自分に優しくすることがどういうことなのかわからない」というお声も聴きます。
そんなときは、ぜひからだのケアをしてみてください。
きっと何かに気がつくことでしょう。
これまでのプロセスは、自分の主語を取り戻し、主観を取り戻すという作業でしたが、
それについて「自分に今、何が起きているのか?」を理解することも、
育て直しのプロセスを後押ししてくれます。知性の出番です。
次回は、その「適切に自分を客観視する」をお届けします。
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