自分自身の「育て直し」について、連載で綴っております。
育て直し<1> → こちら
育て直し<2> → こちら
今日は、自分自身の<育て直し>の第2ステップ「感じる」について書きます。
感情表現豊かな欧米人と比較して、日本人は感情を表さないと言われます。
でも、本当にそうでしょうか?
イラッとしたとき。
モノを放り投げたり、
舌打ちしたり、
足音が大きくなったり、
ドアの開け閉めがうるさくなったり。
不機嫌な顔。
急に黙りこんでしまったり、
ぷいっとわざとらしく背を向けたり。
私たち日本人、表しているのです。
言葉にしないだけで。
そう、ここがポイントだと思うのです。
「私たちは、感情を言葉にして伝える習慣がない」
察するもの、になっているのです。
それゆえに、自分の感情も敢えて言葉にはしない。
それらは、いつも自分のアタマ、こころの中にうごめいている。
相手の感情についてもそう。
察したら、それに合わせて行動する。
…そんな習慣から、「感じたこと」がシンプルに消化されることはなく、
芋づる式に「考えること」にリンクしています。
よって、「感情」と「思考」が団子状態になっていることがとても多いのです。
★ ☆ ★
私が、かつて、認知行動療法を学んでいたとき、
課題として「出来事」「感情」「思考」を記入する表を渡されました。
「出来事」は普通に埋められましたが、
「感情」欄にいろいろ書くと、「思考」欄に書くことがないのです。
そのときに、はっと気づきました。
私の中で「感情」と「思考」がごっちゃになってるって。
★ ☆ ★
同様に、セッションの場で、ワークショップの場で
皆さんに、どんな気持ち?どんな気分?と訊ねても、
「先日、○○ということがあり…」と状況や考えていることを話し出す方が多いです。
感情と思考の区別がついていない。
思考はネガティブなループにはまると延々とそれを繰り返します。
感情を怖がる理由は、それゆえです。
本来、感情や気分とはとてもシンプル。
「喜」「怒」「哀」「楽」など、いろいろですが、エネルギーなので、
留まらず、すっと消えてゆくものです。
安心安全な場を手に入れて、さぁ自分は何を感じているだろう?と
自らに問いかけていくプロセスにおいて、
「あなたは感じてない」「感情が凍っている」などと
あたかも「診断」のような言葉を浴びせられたことがあるかもしれません。
でも、安心してください。
あなたはちゃんと「感じて」います。
ただ、その習慣がなかっただけ。
習慣を身につければ、変えてゆくことができます。
感情って、たくさんあります。
「○○感」と表現されるものや
「○○の念」といわれるものや…。
普段、そうした言葉を使う習慣はないかもしれませんが、
あなたのこころは、そうした感情をちゃんと知っています。
これまでに感じてきています。
それだけの豊かさがあります。
ありとあらゆる感情を自分らしく表現できるように、
こんなふうに感情を表す表現や語彙を増やしていくことも
この「感じる」プロセスにおいて大切な学びです。
…声を荒らげなくとも、
モノに当たらなくとも
大きな音を出さなくとも
「私は怒っています」と伝えられるようになれたらいい。
「モヤッとする」「モヤモヤしている」ことを
もっと違う言葉で理解し、表現できたらいい。
そんなふうに感じたことを言葉で伝えられるようになること。
そして、それを他者と分かち合えるようになること。
これが、自分自身の<育て直し>が目指すところです。
次は、番外編コラムをどうぞ
↓
コメント